商品コード:1421-027[ETERNA] ズスケ・トリオ / ベートーヴェン:弦楽三重奏曲1番Op.3
商品コード: 1421-027
商品詳細:ベートーヴェンは生涯にOp.3、Op.9の2種4曲の弦楽三重奏を残している。最初のOp.3はまだモーツァルトのような明るい、よく弾む軽快な曲。メロディーラインも楽しい素直な曲である。6楽章形式の長い曲でLP両面を使用する。メンバーはズスケQt.の中で第2Vnが抜けた3人である。彼らのベートーヴェン弦楽四重奏の延長線上にあり、モーツァルト弦楽四重奏のような気分を感じてしまう。1970年の録音、極めて良い演奏と厚い盤で、この曲の例外的な録音だろう。弦楽トリオ第1番Op.3は1796年に出版され、ヨハン・ゲオルク・フォン・ブロウネ=カミュ伯爵へと献呈された。3曲からなる弦楽トリオOp.9は1798年とOp.3の2年後の出版である。Op.3は6楽章からなるディヴェルティメントで弦楽トリオの通し番号は1番である。Op.9の3曲の通し番号は弦楽トリオ2番~4番になる。いわゆる室内楽作品としての弦楽トリオは作品9の3曲だけだと言え、Op.3は同じ弦楽トリオでも曲の性格が大きく異なる。ベートーヴェンはこれ以外にもOp.4とOp.29という二つの弦楽五重奏曲も残しているが、作曲の主軸は16曲以上残した弦楽四重奏曲であったことは間違いない事実である。弦楽トリオと弦楽五重奏曲はベートーヴェンにとって室内楽作品の一つであり、最終的な結論ではなかったかもしれない。しかし全部で4曲残された弦楽トリオは、共通して、三重奏曲というジャンルの限界に挑戦した作品である。モーツァルト以降では完成度の高さで他を圧倒する名作といえるのである。弦楽四重奏曲との違いは目指した哲学性であり、ベートーヴェンは弦楽トリオの後期弦楽四重奏曲のような哲学性を求めなかった。その代わり若きベートーベンを象徴するようなリズムやメロディーの美しさなど、音楽的な魅力を持ち併せた高度な室内楽作品である。弦楽四重奏からヴァイオリンが1本抜けただけの構成だが、3本の弦では後期弦楽四重奏曲のような深遠な世界を描けない点をベートーヴェンは知っていたのだろう。28歳以降、弦楽トリオを書いていない。ズスケ・トリオはズスケQt.から第2VnのK.ペータースが抜けた構成だが、この違いは大きい。表現できる範囲が大きく縮小される。弦楽トリオはその縮小された限界を試す曲であり、ズスケ・トリオはその辺りを知った上で、決して弦楽四重奏曲の真似事をしようと気張らない。若きベートーヴェンの世界を、当時のベートーヴェンの身上に合わせた穏やかで楽し気な演奏に徹していて、決して無理をしない。弦楽トリオが持つ気負のない世界を見事に表現している。このLPは希少な弦楽四重奏曲のLP程のレア度はない為、一部の弦楽四重奏曲LPよりかなり安価になっている点が救いである。ズスケ・トリオの持つ高度な音楽表現はこの録音からも十分に体験できる。
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