商品コード:1422-038[COLUMBIA] R.ゼルキン(pf)/ ベートーヴェン:Pf協奏曲5番Op.73「皇帝」
商品コード: 1422-038
商品詳細:ルドルフ・ゼルキンは、ベートーヴェンのピアノ協奏曲全集を3度録音している。大ざっぱに初回は1950年代モノラルでオーマンディ指揮フィラデルフィアo.。2回目は1960年代(1962年~64年頃)モノラル/ステレオ録音で1、2、4番はオーマンディ指揮フィラデルフィアo.で、3、5番はバーンスタイン指揮ニューヨークpo.である。上記2回はいずれも米COLUMBIAへの録音。3回目は1980年代前半にTELARCに小沢征爾指揮のボストンso.とデジタル録音している。そのほかにライブ録音が数点ある。2回めのステレオ盤がよく知られた録音だろう。日本ではモノラル期が敗戦の影響で存在しないので、1960年代録音しか知らされていない。それは仕方が無いことである。これは初回モノラル録音の中の5番「皇帝」の英国盤である。日本で聴くことができるようになったのは1980年代以降であろう。1980年代には米国盤が大量に輸入されたが米国盤で聴く当録音はただ強烈な音で音がくっきりしている。---という程度と思われるが英国盤で聴けばまた印象も異なる。ルドルフ・ゼルキン( 1903 - 1991)はボヘミア・ヘプ出身のユダヤ系ピアニスト。1920年、17歳でヴァイオリニストのアドルフ・ブッシュのデュオ相手に抜擢され、ヨーロッパ各地で演奏活動。この縁により、のちにブッシュの娘イレーネと結婚する。1939年、ナチスから逃れるためにブッシュとともに米国に移住、カーティス音楽院で教鞭をとる。ドイツ音楽の正当な継承者と目され、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルト、ブラームスなどの解釈で知られている。ドイツ音楽を得意としたゼルキンは、特にベートーヴェン演奏の評価が高かったが、録音には慎重で、コロムビア・レコードからの希望にもかかわらず結局ピアノソナタ全曲の録音を完成させなかった。米COLUMBIAが初期にセットしたのがユージン・オーマンディ指揮フィラデルフィアo.とのベートーヴェン:Pf協奏曲全集であった。当時のオーマンディ指揮フィラデルフィアo.はフィラデルフィア・サウンドを掲げて破竹の勢いで全米に攻勢をかけ始めた時期であり、米COLUMBIAが両者の共演をセットしたことは理に適っている。録音当時ゼルキンは47歳であり、脂の乗った壮年期に差し掛かったところ。新天地でブッシュとともに活動していた。ゼルキンにとってベートーヴェンは絶対的なアイデンティティーであり、何より完璧でなければならない。演奏の方は力が抜けた自然体で何より丁寧なソロと美しい音色が特徴である。ゼルキンは既に1941年ブルーノ・ワルター指揮ニューヨークpo.と米国で最初の録音があり、これが初めてではない。また多くの演奏会でも取り上げていただろう。何度も演奏しているだけあり弱音の細かな表現に神経が注がれている。1962年レナード・バーンスタイン指揮ニューヨークpo.の演奏も捨てがたいが、このモノラル録音にはゼルキンというピアニストが決して米国の商業主義に迎合しなかった信念が感じられるドイツ的スタイルが見て取れる。
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