商品コード:1427-059[VSM] G.クレーメル(vn)/ シューマン:Vn協奏曲ニ短調(遺作), シベリウス:Vn協奏曲Op.47
商品コード: 1427-059
商品詳細:ギドン・クレーメル(ヴァイオリン)とリッカルド・ムーティ(指揮)という異色の共演である。当時、指揮のムーティと演奏オケであるフィルハーモニア管弦楽団は英EMIの専属として、数々の作品を録音していた。イタリア人であるムーティは、本来シベリウスなどの北欧音楽をほとんど指揮しないレパートリーの持ち主として知られていた。このLPは、EMI側が自社の看板指揮者であるムーティと、当時飛ぶ鳥を落とす勢いだった若きクレーメルを共演させるために企画・制作したという側面が強いレーベル側の強い要望が先行した録音といえる。1980年前後のクレーメルは、ソ連から西側世界へ完全に活動拠点を移した直後の時期にあたる。彼は自身の音楽的可能性を広げるため、西側の巨匠・名指揮者たちと次々に共演を重ねていた。これ以前にはカラヤンとブラームス、バーンスタインとベートーヴェン、マゼールとチャイコフスキーなどがあげられる。こうした華々しいスター指揮者たちとの共演系譜のなかに、当時新進気鋭の若手巨匠として台頭していたムーティとの共演が組み込またようである。クレーメルは、カラヤンと録音したベルリン・フィルとのシベリウス盤(1976年録音、EMI)に満足していなかったと言われており、より自身のエッジの効いたシャープな解釈を刻むため、わずか数年でシベリウスの再録音を望んでいたらしい。当時まだ過小評価されていたシューマンのヴァイオリン協奏曲は、クレーメルが自筆譜を徹底的に研究して世に真価を問おうとしていた極めて強いこだわりを持つレパートリーであった。ニ短調同志のこの2曲のカップリングはクレーメルの発案と思われる。ムーティの持つ推進力のある引き締まったオーケストラを自負しており、クレーメルの鋭いソロとの同じ方向性で二人の音楽観が合致したのだろう。クレーメルにもブラームスの協奏曲でひと悶着あったカラヤンとはもうやらないという気分があったと思われる。クレーメルにとっては自由度の高い録音になったようである。存分に自分のスタイルを貫いた寒々しいシベリウスはなかなか素晴らしい。シューマンは初録音であり、ムーティにとっては初挑戦らしいもののクレーメルの先導でしっかりまとまっている。クレーメルの研究が生きた完成度の高い演奏に感じられる。
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